俺が大麻をやらない理由

 
 
音楽をやっていると、大麻をはじめ違法薬物などに手を出している人は多くみる。
友人関係でも、かつてクリーンだった人がそうしたものに手を出して立派にヤク中になったひとも何人かはいて、彼らはかつての人間関係から遠ざけられる対象になった。無論 世間の多くの人も彼らを「バカな奴らだ」と感じることだろう。
 
しかし本当の意味でよく考えてみて欲しい。
俺たちは、本当に彼らを批判できるほど、違法ドラッグと呼ばれるものについての知識を持ち、なぜそれが禁止されているのか、またはなぜ手を出してしまったのか、ちゃんと考えているだろうか。「大麻はいけないもの」という認識は、日本人にとっては自明の理であり、これを疑うことすらないが、もはやそうした死んだ思考を持ち続けることが、何年後かには悪と定義されかねないところまで時代は来ている。
この記事では、完全な主観による、なぜ彼らが所謂「ヤク中」になるのか、(この記事では焦点を絞り)大麻が本当にいけないモノなのかを考察し、またその上で、俺がなぜ大麻をやらないのかを、かなり簡単に書いていく。
 
 
1.なぜ彼らは「ヤク中」になるのか
 
・環境要因
 
友人関係に違法ドラッグを使用している者が居るかどうかは、その人の居る共同体によって、0か10以上かの差があると思われる。
これには趣味嗜好、家庭環境や学校などによる青年期の友人関係が関わってくる。
ゲートウェイドラッグとは本当で、(俺の周りで)違法ドラッグに手を染めてしまう者は100%、10代から喫煙をしている。
が、やるかやらないかに特に直接的に関係している環境的要因は、「居住地域」にあると俺は考えている。
10代の人間関係は、中学等、主に地元で形成される。この頃に飲酒・喫煙を覚える少年たちに共通するのは、夜間に外出が出来る家庭環境であることが多い。つまり親の管理が届きにくい状況の時間が、そうでないものと比べて長いのである。こうした青少年たちも、無論すべてが違法ドラッグに手を染めるとは限らない。これに大きく関わるのが、居住地域の違いである。
 
俺が10代の時間を過ごした横浜市青葉区では、治安の良さや東急に開発された宅地を好んで暮らしている世帯が多く、地元やその付近でドラッグのやり取りをする者は、私の知る限りでは居なかった。つまりは、この時期に例え興味があったとしても、ドラッグはあまりに遠い存在であるため、使用に至らないのである。つまるところ、この少年期に地元の紐帯でドラッグを使用する者が居れば、それが蔓延する可能性は大いにあり、近郊で言えば、相模原市・町田市などがそうであると考えられる。
 
・彼らの精神的共通点
 
この記事では、俺の直接知る限りのデータでしか論じることは出来ないが、彼らの性格には共通点が以下のようにある。
 
・仕事や学校を継続する事が難しい
・飲酒、喫煙、ギャンブル等への依存
・不安感や孤独感を感じやすい
 
考えてみれば当然のことではあるが、このような精神状態に陥りやすい傾向のある者は、そもそも心身が不健康・不完全な状態がベースにある。上に挙げたような特徴は、要するに脳が正常に働いておらず、またもっと具体的にいえば神経伝達物質が正常に分泌されていないのである。これは、所謂 発達障害の傾向であり、実際、依存症と発達障害には相関があることは事実である。

“人は、脳内報酬系が刺激される(ドーパミンが増加する)ことで、やる気や快感が生じ、集中力を持続することが可能となります。したがって、脳内報酬系の活性が低い傾向があるADHDの人は、刺激が少ないと、やる気や快感を感じることがなかなか出来ず、また、不注意から様々なミスを繰り返すことになります。

そのため、ADHDの人は無意識のうちに、行動し続けること(すなわち多動)や、何かに依存することで脳内報酬系の活性を高めようとしていると思われます。その何かが人によってはアルコールや薬物、ギャンブル、ゲーム、買い物などであり、それらを続けるうちにやめようと思ってもやめられない依存症という状態に陥ってしまうと考えられます。”

ここまでを理解した上で、俺たちは、彼らを一様に自分と完全に同じ人間だと、同じ脳みそをしていると捉え、その上で彼らをバカだと罵ることは、当然、出来るはずもないのである。
 
2.大麻は本当にいけないモノなのか
 
ここからは、この記事のテーマである「大麻をやらない理由」を記すため、違法ドラッグの種類を大麻に絞って書いていく。
世界各国で大麻解禁の動きがある中、日本ではこうした話題は表沙汰になりにくい。大麻覚せい剤などと同様に、「とにかくいけないモノ」と認知されている(させられている)から、まさかワイドショーで「私は良いと思います」なんていえないし、これは当然といえば当然のことである。しかし本当に、大麻はいけないものなのか?
“アルコールは、交通事故や家庭内暴力といった他者へのリスクが高いのですが、規制はそれほど強くありません。たばこは喫煙者への害の可能性はもちろん、受動喫煙や子どもの呼吸器への影響といった他者へのリスクもあります。他方、大麻はそれほどリスクはありません。これは私見ですが、大麻などの物質については、(国際的な規制対象を決める)1961年の麻薬単一条約の薬物リストを見直す必要があると思います。リスクと利益を理知的に評価すれば、その評価を使って規制する国にも役立ちます。現実を見ようと訴えている私たちGCDPの対応は非常に合理的だと思います。世界保健機関(WHO)はようやく昨年、大麻の医療効果を認め、大麻と関連物質について規制対象リストを見直すよう国連に勧告しました。”
 
正直言ってこんな引用をすることすら、俺にとっては必要にも思えないくらい、この事実は有名な話だ。はっきり言って大麻は超 大したことないのだ。
友人が高校生の頃オーストラリアに留学した際、現地の人間に「お前、タバコ吸うのか?」と驚かれたが、彼らは昼になると森へ大麻をキメに行ったという話も聞いたことがある。実際、そうした価値観の中で育てば、タバコを吸うことなど、何らメリットもない非生産的な行為であるようにも思えてくるだろう。
その他、大麻の経済効果や、死亡例の少なさは、少し調べればすぐに判るが、ここでは面倒で長くなるため割愛する。気になる人は調べてみて欲しい。
 
・解禁の兆しが見えない理由
 
莫大な経済効果も期待される大麻が解禁されない理由を、個人的な見解で考えていく。
いくつか思い当たるところがあって、「大麻が他の危険薬物への入り口になる」、「いけないモノという自明の理を壊すのが難しい」、「闇化」、「未成年者の健康被害の懸念」などが挙げられるが、正直これらは小さな理由で、最も大きな理由はアメリカが禁止だったから、又は敗戦にともなってGHQに禁止されたから」以外無いのではないかと考えている。
 
話は逸れるが、「世論」とはいったい何なのだろうか。
テレビやラジオでは、常に世論を気にした上での議論しか行われず、誰も本当のことを表すこともない。
哲学者のハンナ・アーレントが、誰もが極悪非道だと思っていたナチスアイヒマンのことを「平凡な人間」と評したことを、世間は批判したが、彼女の主張が間違いではなかった事をその後 世間は理解をした。それぐらい、大衆とか、世間とか、世論ってのは、浅はかで、思考停止したモノなのだ。もちろん人によって、物事をどれだけ深く考えられるかは個人差があることを俺は理解しているが、そうした浅はかな思考を悪と定義しないならば、他に何を悪と定義できるだろうか。
 
3.俺が大麻をやらない理由
 
ここまで見れば、俺が大麻の間接的リスクを提示しつつも、割合 肯定的な意見を持っていることは理解してもらえたと思う。
正直言って、早く合法になってもらいたいと思っている。
音楽をやってる身としては、キメた状態で、ただただ気持ちよく音楽に没入してみたい気持ちもあるからだ。
そんな考えを持ちつつも、俺が一度も大麻をはじめ違法ドラッグに手を出さない理由はいくつかあるが、その大きな理由の一つは、「違法だから」だ。
要は、捕まりたくないし、10代の頃にコソコソ喫煙していたあの感じを、今さら再現したくもないのである。その様がみっともないことぐらい想像がつくし、元々 職質を受けやすいタイプなので、俺にとって違法ドラッグはリスクの方が大きいのだ。
そして何よりも、大麻をはじめとした違法ドラッグをキメた友人たちに、何か凄い功績を残した者が一人も居ないし、むしろ怠惰な癖にデカいことばかり言う奴しかいないからだ。
ロックやヒップホップ、或いはジャズにしても、偉大な功績を残したアーティストたちの多くも薬物使用者であったが、それと自分を重ねてはいけない。偉大な者とそうでない者の違いが薬物にあるわけが無いことは、経験上、俺にはよくわかる。
 
 
しかし上述の通り、誰一人として同じ脳みそを持つ者は居ないし、ヤク中たちがツラい気持ちを持ちながら、自分の脳が正しく働いていないことにも気づけず、イリーガルの沼に沈んでいってしまうことは、思考停止した世論を動かす必要を感ぜざるを得ない。
 
我々は常に、当たり前だと思うことを自分なりに深く考え、自己のできる範囲で、よく生きるということを、考えなければならない。